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番組審議会とは

放送法に基づき、放送番組の適正を図るために外部有識者の声を聴く場として設置しています。
主な役割は、

・放送番組の適正を図るため必要な事項を審議する、
・放送局に対して意見を述べる

ことなどとなっており、番組審議会が取りまとめた「答申」や「意見」は放送局がこれを尊重して必要な措置を講じます。
また具体的な番組の視聴・聴取も行われ、放送局はその議論や意見交換を次の番組作りに役立てています。

審議委員名

委員長    磯 山 隆 幸(写真家)
坂 本   徹(北里大学 獣医学部 教職課程 教授)
八木橋 俊 夫(陸奥新報社 常務取締役 営業局長)
川 嶋 大 史(つがる市観光物産協会 会長)
平 間 恵 美(NPO法人はちのへ未来ネット 代表理事)
平 野 陽 児(東奥日報社 デジタル局長)
上 村 鮎 子(十和田乗馬倶楽部 代表取締役)
粒 来 和 成(デーリー東北新聞社 編集局次長 編成本部長)

※上村委員は意見書面提出での出席

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第656回番組審議会

青森放送では10月11日に第656回番組審議会を開催し、

テレビ番組
『 栗原はるみ・心平の青森いただきます! 』 
( 5月28日(火)26:562751 放送 )を審議しました。

 
【番組内容】

日本を代表する料理家の栗原はるみさんと息子の栗原心平さん。
はるみさんが料理家としてデビューするきっかけを作ったのがご主人の玲児さん、
心平さんに料理の楽しみを教えてくれたのも玲児さんです。
玲児さんががんの余命宣告を受けた後、家族最後の旅に選んだ場所が青森ということもあり、
青森は家族にとって忘れられない大切な場所になりました。

亡くなってから5年。

泣いてばかりだったはるみさんは、息子の一言で最近前向きになってきたといいます。
私たちは、大切な人を亡くした家族が支え合って生きる姿を伝えたいと取材を始めました。

青森放送のテレビ番組でレギュラーを持つ青森通の心平さんがはるみさんを様々な場所に案内する青森旅。
旅先だからこそ話せる仕事の事、親子の事。青森食材を使って久しぶりに親子で料理。料理家としての大先輩の母から息子に託す思いとは。食をツールに青森を楽しみながら、家族の絆を再確認します。

審議委員からの感想・意見

  • 冒頭で映し出された弘前城の桜景色は、壮大な映像が印象的で何度見ても息を飲む美しさ。青森の食を通して親子の絆を深める内容で、ゆっくり心に響く番組だった。栗原はるみさんの「やりたいと思ったことを行動に移すことが大事」という言葉が胸に響いた。彼女の落ち着いた優しい声が視聴者にも行動を促し、自分の人生を主体的に生きることの重要性を教えてくれる。心に残るメッセージだった。「いがめんち」の食リポなどは専門家らしいコメントで料理への深い理解を感じさせる。親子での調理シーンのやりとりは笑顔を誘う温かさがあった。「これでいいや…だと気付きが少ない。それを少しの手伝いで気付きにつなげてもらいたい」という心平さんの言葉は、何事にも通じる深い言葉だと心に深く響いた。食を通して親子の温かさをほっこりと伝えるすてきな番組。
  • 亡き夫であり父である栗原玲児さんとの思い出の地を巡るのが縦糸となり、語りや様々な店への訪問場面などが横糸となっていて非常に見応えがあった。単なる料理番組ではなく、色んな意味で「おいしい人間ドラマ」の番組だった。数々のトーク場面に2人の心の内がかいま見えて絆や愛情が伝わってきた。料理に真摯に向き合う姿勢からも2人の人生観が伝わり印象に残った。最後に一緒に調理する場面にも2人の人柄が非常に表れていた。シンプルな料理を選んだところに栗原親子のフレンドリーさも感じられてすごく良かった。トーク場面などでの2人の表情がとても豊かなので、字幕が必要なかったのではないかと感じる場面もあった。全体としてはストレスなく視聴でき、見終わってほんわりとさせられた。
  • 著名な料理家であり親子でもある2人の素顔、人柄、料理家としての信念などがかいま見えた。はるみさんの視線が時折スタッフに向けられるのが気になったが、アットホームな雰囲気を醸し出していたようにも思う。照れ臭さの中にも本音で語ってくれた2人の言葉に気持ちが柔らかくなるような番組だった。はるみさんが料理家の道を進むべく背中を押したのが夫・玲児さんで、心平さんの背中を押したのが母・はるみさんだったという、家族の連鎖や夢を強く感じた。様々な人生の岐路に立った時に家族の一言がターニングポイントになってきたという、家族の歩みや絆が感じられる逸話だった。ねぶたの場面は観光テイストが出ていて違和感を抱いた。数々の逸話がとても興味深かったので家族の思い出の地を巡る形に特化しても良かったのではないか。
  • ナラタケの瓶詰を見て「サモダシですね」と言った心平さんは、もう青森の人だという感じがして親近感が湧いた。青森に住む息子を訪ねて来た母が、息子にあちこち案内してもらうような雰囲気がすごく良かった。悲しみを乗り越え、母と息子が気持ちを支え合う中で新しい家族の形がまた作られていく過程を見ることができた。見る側も希望を感じることができる番組。スタッフも含めた収録現場が和んでいる様子が想像できて、時折聞こえるディレクターとのやり取りが、少し照れている2人の気持ちや本音をうまく引き出していた。食を通じて親子のドラマを描く構成が巧みで、栗原親子の物語を全面的に出したのが結果的にすごく良かった。キャスターや司会者として活躍した栗原玲児さんについてもう少し説明があれば、より深く入り込めたかもしれない。県外の人にもぜひ見てほしいヒューマンストーリーで青森県のPRにもなると思う。
  • 穏やかで優しい2人の持ち味が番組全体に生かされていた。それを引き出せたのは制作力によるもの。亡き夫の思い・親子の絆・地元の人たちとの交流が随所にみられたので、栗原親子の青森への思いがしっかりと伝わってきた。夫であり父である玲児さんへの思いを語る最初の場面から2人の人柄を感じることができ、そこから一気に番組タイトルへと移る切替えにすごく引き込まれた。随所随所に印象的な言葉が散りばめられていた。ねぶた師である竹浪比呂夫さんの登場が不思議だったが、ねぶた制作も料理も「段取りが大切」というコメントに説得力があった。現場の一体感が伝わり、インタビューの「間」も良かった。息子が青森の人たちと親しく話す姿は母として嬉しかったと思う。アイロンがけをしながら息子の世話ができる喜びが表れている場面にとても共感した。紹介していた料理も早速作ってみたら、とてもおいしかった。
  • 親子の会話でありながら師匠と弟子の話にもなっていたのと同時に、カメラを意識していないようでいてカメラがあることをきちんと理解しており、話も上手なので感心した。栗原はるみさんの言葉はとても自然に溶け込んできて沁みるのを実感した。竹浪さんの場面でも言葉の力を感じた。竹浪さんの言葉を聞いた栗原親子にはぜひ夏のねぶた祭りを観てほしい。ふだん地元にいる我々が気が付かない目線で番組が郷土料理なども紹介してくれたので本当においしそうだった。2人の食べ物や食材への反応・食リポは新鮮で、興味をそそられ、気付かせてくれる感じだった。「こんな親子でいたい」と思わせる理想的な親子で羨ましい。食も含めて「青森を丸ごといただく」という意味合いも感じ取れたので良い番組タイトルだと思った。
  • 目に見えないところでも栗原親子と番組スタッフの連携がとれていたのだと感じさせる番組。玲児さんが他界してから5年という歳月の重みをかみしめて前に進む2人のたくましい様子にどんどん引き込まれていった。はるみさんと心平さんの厨房での2ショットが、テレビで初めてということもあって非常に絵になっていた。料理のチョイスやこだわり、木べらの持ち方、さりげない会話にもプロの料理家の矜持がかいま見えて非常に興味深いものだった。
     全編を通して、栗原家の歴史、ほのぼのとした親子の絆が感じられて、頬をゆるめて見ていた。非常に練り上げた企画・演出で番組サイドの気合いや気配りが伝わり見応えがあった。機微・機知に富むディレクターの問いかけが番組を深みのあるものにした。はるみさんの葛藤や苦悩、心平さんとの新たな関係性を見事にあぶり出していた。ラストシーンもほほえましく最後まで楽しめた。
  • 夫の玲児さんが他界してから5年間のはるみさんの空白がきれいに埋まっていくように感じた。心の隙間を埋めるように息子の成長を見守って言葉を紡いでいたのではないだろうか。竹浪さんの登場場面に違和感があったが、ねぶた制作を料理に例えていく彼のコメントが番組に溶け込み、メリハリがついた気がする。シナリオがなく、2人に任せながら進行していく現場の判断が功を奏した。編集力もすごい。全国の視聴者を意識した字幕の入れ方だと感じ、効果があったと思う。もっと2人に切り込んだほうがいいかもしれないとも感じたが、互いを尊敬し合い、一定の距離感を保つ良い雰囲気が醸し出されていた。ディレクター・スタッフの声のかけ方も2人の良さを引き出している。栗原親子のその時々の会話を生かす制作判断が、結果的に隠し味となり、上質の番組に仕上がった。