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番組審議会とは

放送法に基づき、放送番組の適正を図るために外部有識者の声を聴く場として設置しています。
主な役割は、

・放送番組の適正を図るため必要な事項を審議する、
・放送局に対して意見を述べる

ことなどとなっており、番組審議会が取りまとめた「答申」や「意見」は放送局がこれを尊重して必要な措置を講じます。
また具体的な番組の視聴・聴取も行われ、放送局はその議論や意見交換を次の番組作りに役立てています。

審議委員名

委員長    坂 本   徹 ( 北里大学 獣医学部 教職課程 教授 )
副委員長 平 間 恵 美 ( NPO法人はちのへ未来ネット 代表理事 )
川 嶋 大 史 ( つがる市観光物産協会 会長 )
上 村 鮎 子 ( 十和田乗馬倶楽部 代表取締役社長 )
平 野 陽 児 ( 東奥日報社 執行役員 デジタル局長 )
成 田 幸 男 ( 陸奥新報社 代表取締役社長 )
粒 来 和 成 ( デーリー東北新聞社 青森支社長 )

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第662回番組審議会

青森放送では、5月12日に、第662回番組審議会を開催し、下記議題番組を審議しました。

テレビ番組
 
NNNドキュメント'25光が照らす場所 見えない日々のその先に・・・ 』

( 2025年3月30日(日) 24:55 2550 放送 )
        

 
【番組内容】

青森市にある目が見えない人のデイサービス「みんなの架け橋」。

ここに集まるのは、人生の途中で光を失った中途失明者の人たちです。

この場所で取材を始めて3年。「架け橋」に行くと

いつもみなさんの目が見えないことを忘れてしまうほど、

温かく楽しい時間が流れていました。しかしその日常には、

見えないという受け入れ難い現実と向き合いながら

残された人生をどう歩むべきなのか悩む姿もありました。

移り行く季節の中、仲間とともに笑い合い、ときに涙し、

みんなでまた前を向いて生きていこうと励まし合える。

そんな温かな光が照らす「みんなの架け橋」の日々を見つめました。

審議委員からの感想・意見

  • 折り鶴を鍵にした構成が見事。最初から最後まで作り手の温かい目線が感じられる番組だった。ドキュメンタリーは評価するのが難しく、番組タイトルも含めて色々と考えさせられた。様々な登場人物をうまくつなげていたので1つの物語として分かりやすい。中途失明者のデイサービス「みんなの架け橋」を広くアピールできたと思う。感動的な場面だけでなく、利用者の病や死も回避せずに真正面から捉えて制作したことで、色濃く深い番組に仕上がったと思う。箸が転がる食事の場面・りんごの皮むき等、「見えない」ことをカメラでうまく捉えた映像が鋭い。3年継続取材している努力を感じた。見ている私自身も希望を持てる番組だった。こういった放送を通して、障がいへの理解を広め、浸透に努めてほしい。
  • 全体的にしっとりしたトーンでまとめられていたので非常に見やすかった。登場人物が多かったが、各々の輪郭がくっきりと浮かび上がってくる描き方で見えない人々を温かい光が包んでいる状態が見事に映像化されていた。つらく厳しい場面も多いが、見終わると安らぎも感じた。人間の強さ・優しさ・温かさを改めて感じさせる番組。約1時間の放送に耐え得る取材量と内容で、一編の映画を観ているような充実した素晴らしい作品。県内に同様の施設があるのか等、厳しい現状を示す客観的なデータがあれば良かったのではないか。光の映し方・折り鶴の場面等が感動的。オープニングのタイトル映像も心憎いほどの演出。3年に及ぶ丹念な取材の中で登場人物の人生の転機を冷静に克明に捉えてきたディレクターの寄り添う姿勢・思いが結実した秀作。
  • タイトルロゴの「光」の文字が「折り鶴」の形にデザインされていた。視聴を進めていくうちに腑に落ちる場面があり、折り鶴が鍵になっていることが分かったので素晴らしいデザインだと感じた。「みんなの架け橋」が人と人をつなぐ橋であり、管理者である黒澤幸子さんの「決して独りきりにしない」という優しさ・謙虚さも表現しているようで素敵なデザインだと思う。折り鶴の演出でほんわかする場面でもグッと引き込まれた。「見えない」現実を伝えるのではなく、視覚を失ってもまた前を向こうとする人たちの生きる力が深く届く番組。音・匂い・温度等で季節を伝える工夫がされており、見えないこと、寄り添うタイミングであることを伝えていた。利用者の飾らない本音を引き出せていた。何度も心を動かされ、涙して、共生社会の重要性を感じた。
  • 「みんなの架け橋」の利用者に寄り添い、イマジネーションを引き立てる黒澤さんの言葉がけ・心配りに納得しながら視聴した。箸が転がる場面等のカメラワークが巧み。利用者の哲学的な言葉や表現力によって番組に凄みを感じた。光を失った中途視覚障がい者の半数以上が自死を考えるという場面で、数字の持つリアリティーは1つのデータでしかないが、これが挿入されたことによって問題の奥深さを感じることができた。過去に放送した映像や音声の再利用はとても大事だと思う。さらに新しい取材映像を加えたことで新作のように感じた。若い頃の写真や映像が出てくると人の歴史が感じられ、ここまでの苦労や頑張りを推し量ることもできると思った。県内だけでなく、全国に届けるという視点も感じられる良い番組だった。
  • 3年という長い間、受け身に徹して取材していたことが伝わる。これまで審議してきた中で一番良いといっても過言ではないほどの作品。ナレーションが番組によく合っていて新鮮でとても良かった。映像の捉え方・利用者の言葉の拾い方も良い。入れ替わり立ち替わり多くの人物が登場しても、バラバラにならず非常にまとまっている構成が凄い。それぞれの内面や歴史にふれているのも良かった。要所要所で視聴者の疑問点をフォローしている点にも丁寧さを感じる。黒澤さんは人と人をつなぐ「架け橋」になっている。彼女が細やかに利用者に寄り添う様子が自然に伝わってくる取材の仕方もとても良かった。新潟市の医師の登場場面も流れが自然で数字で見せることの大切さが伝わりインパクトがあった。終始一貫して寄り添う制作者のぶれない姿勢と、純粋でナチュラルな若い感性が作品を高めていると思う。非常に良い番組だった。
  • 以前放送した30分番組にその後の取材を加えて再編成された中に、細かい配慮が見受けられる。中途失明者の調査結果も紹介しながら厚みを持たせて説得力が増したと思う。以前に比べると黒澤さんの露出がやや控えめになっているが、利用者たちを柱にして笑顔や生きる希望を全面に打ち出す趣の変化を感じた。いずれにせよ「みんなの架け橋」の日常の光景に何度も涙腺が緩んでしまった。枚挙にいとまがないほど素敵な場面ばかりで感動的。番組の趣旨を踏まえた時に特に印象的だったのは「価値観を取り去ることでしか生きていけない」という利用者の言葉で、中途失明者の苦悩を象徴するものだ。思いを共有する居場所を提供する重要性について、示唆に富んだ番組だった。心に響く利用者の数々の言葉は熱心な取材の賜物。時折入る相づち等からもディレクターの優しい目線や人柄が伝わってきて、とても心温まる番組だった。
  • この番組には2つの大きなテーマがあると感じた。1つは「障がいへの理解」で、中途失明を取り上げてくれたことが画期的。後天的な視覚障がいの場合、精神的な圧迫にも見舞われる。突然見えなくなってしまった不安をなかなか乗り越えられないといった「障がい受容」の問題がある。その現状を仰々しくせずに伝えているので凄い番組だと思った。日常の中で様々な出来事や事件があり、語ってくれる人がいて、うまく織り交ぜながら1時間ほどの良作に仕上げている。中途失明者の気持ちを知ることができたのも貴重。もう1つは、黒澤さんの生き方。環境を作り自然体でサポートする黒澤流の生き方を、取材する側がよく理解し引き出していた。多彩で鮮やかな季節感にあふれており、「光」の使い方・演出も巧みで良かった。新鮮な視点と豊かな感性で1人1人を非常に大切にして取材していると感じた。今後の番組制作も期待したい。
次回の番組審議会は6月上旬を予定しています。

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