青森県が「臨時農業生産情報」を発表 向こう1か月の気温は平年より高く特に期間の前半は気温がかなり高い状態が続く見込み
青森県「農林水産力」強化本部は11日、臨時農業生産情報(高温に対する技術対策)を発表しました。
仙台管区気象台が発表した「1か月予報」によりますと、東北地方では向こう1か月の気温は平年より高く、特に期間の前半は気温がかなり高い状態が続く見込みです。
今後の気象情報に注意し、次の事項に留意して農作物の適正な管理に努めることや、農作業中の熱中症に十分注意することを呼びかけています。
1 水 稲
(1)出穂・開花期は、稲が最も水を必要とする時期になるので、開花・受精に支障がないよう5~6㎝の水深を保つ。]
(2)出穂後に高温になると、胴割粒や白未熟粒が発生しやすくなるので、開花が終了した水田では、水の入れ換えや掛け流し、飽水管理により稲体の温度を下げ、根の活性を維持する。
(3)斑点米カメムシ類の発生が「やや多い」と予想されているので、畦畔及び水田周辺の雑草地などの草刈は、遅くとも出穂7日前までに終えるとともに適期防除を徹底する。
(4)品質低下を助長するので、早期落水を避ける。
2 野菜・花き・畑作
(1)野菜・花き類は、生育に応じたかん水や葉面散布等を行い、草勢を維持する。また、収穫は涼しい時間帯に行い、収穫物は直射日光が当たらないようにするなど鮮度保持を徹底する。
(2)高温が続くと、ハダニ類、アザミウマ類、アブラムシ類のほか、炭そ病、軟腐病等の発生が多くなるので、早期発見と早期防除を徹底する。
(3)施設栽培では、換気や遮光資材などによる温度管理を徹底するとともに、土壌水分の変動を少なくする少量多回数のかん水を行う。
(4)転作大豆では、ほ場が乾燥している場合は、うね間かん水を行う。
3 りんご・特産果樹
(1)りんごでは、日焼け果の発生防止に向け、早い時期からの強い葉摘みは避けるほか、高温時の徒長枝整理、支柱入れ、枝つりなどは控える。
(2)ジョナゴールド等の中生種に落果が見られた場合は、落果防止剤を散布する。
(3)ハウスぶどうは、換気などによる温度管理を徹底する。また、ぶどう「シャインマスカット」では、高温時の袋掛けは日焼けを助長する場合があるので控える。
(4)ももでは、太枝の日焼け対策として徒長枝を残す場合は、葉芽を必ず残して5~10cm程度に切る。
(5)収穫は、果実温が高い日中を避けて行い、収穫した果実は速やかに冷蔵庫に入れるか、日陰に置くなど鮮度保持を徹底する。
(6)苗木や若木、わい性台木は乾燥の影響を受けやすいので、園地の状況を確認し、乾燥している場合は1m2当たり20リットル程度かん水する。
(7)草からの蒸散を防ぐため、草刈りをこまめに行い、樹冠下に敷き草をする。
4 畜産
(1)畜舎の暑熱対策
▽窓を開放したり換気扇や送風機を利用して、舎内の風通しをよくする。
▽日除けの設置や屋根への散水等により舎内温度を下げる。
(2)家畜の飼養管理
▽ 飼料給与は朝、夕の涼しい時間帯に行うなどして乾物摂取量を高める。
▽新鮮な水を常に飲めるよう飲水環境を整える。
▽乳用牛では特に、乳量や乳成分の低下を防ぐため、良質の一番草を給与するようにし、ビタミンやミネラルの補給に努める。
▽種雄豚の交配は涼しい時を選び、供用は週2回程度とする。
(3)放牧牛の管理
▽放牧は、木陰のある牧区を使い、ミネラルの補給を欠かさないようにするとともに、新鮮な水が常に飲めるようにする。
▽放牧牛の行動をよく観察し、異常牛の早期発見・早期治療に努める。
(4)牧草刈取り時の注意事項ア 株枯れの防止と刈取後の再生を促すため、刈取高さは10cm以上とする。
5 農作業(熱中症対策)
(1)事前に天気予報を確認し、日中の気温の高い時間帯を避けて作業を行う。
(2)作業前・作業中は水分・塩分補給や休憩をこまめに取る。
(3)屋外では帽子や通気性の良い作業着・空調服等を着用し、屋内では送風機などを活用する。
(4)なるべく2人以上で作業し、時間を決めて声かけを行い、体調に異常がないか確認しあうようにする。
(5)労働者を雇用する農業者は、熱中症が発生した際に対応できるよう、緊急連絡先や対応フローを記載した「張り紙」を事務所等に掲示する。