「死にたくない。でも苦しみから逃れるためにはしかたない」遺書を公開 青森県警の警部パワハラ自殺訴訟で遺族が元同僚の新しい証言を明かす
2016年県警察本部の55歳の男性が上司からのパワハラで自殺したとして、遺族が公務災害の認定を求めた裁判を巡る動きです。
遺族は元同僚の警察官の新しい証言を明らかにしました。
きょう遺族が公開した遺書。
「いままで本当にありがとう」
「死にたくないでもこの苦しみから逃れるためにはしかたない」
「幸せでした。許してね」
2016年7月5日、県警察本部交通企画課の課長補佐 千葉真樹さん(当時55)は、自宅で自ら命を絶ちました。
遺族は地方公務員災害補償基金に対し、上司からの“パワハラ”で自殺したとして、公務災害の認定などを求めた裁判を起こしました。
青森地方裁判所は、ことし3月「ひどい嫌がらせを受けたとは評価しがたい」として請求を棄却。
一審を不服とした遺族は、仙台高裁に控訴しました。
きょう、遺族や弁護士は元警察官の同僚による新しい証言を代読しました。
★小野寺義象 弁護士
「私が知る限り補佐は上司からのパワーハラスメントにとても苦しんでおり、私は何度もそのような話しを補佐から聞いていました」
「当時の青森県警幹部や監察課へ補佐は、日頃から上司からパワハラを受けて自死したと考えられると断言した報告をしました。報告直後には、県警幹部から直に呼ばれ質問を受け、経緯を1時間近くかけて説明しましたが、これらの訴えは聞き入れられませんでした」
「パワハラがあったと主張するのは私1人で(幹部から)考えを変える気はないかと言われました。パワハラはなかったという前提に立った聞き取り調査でした」
★遺族
「青森県警は早々に上司から夫へのいじめやパワハラはなかったと結論づけ、遺族から求めた調査を行うことなく、一方的に打ち切ってしまいました。この結果に私たち遺族は到底納得することができませんし、今も警察に対する怒りは癒えることはありません」
県警察本部は「内容の詳細を承知しておりませんのでコメントを差し控えさせていただきます。必要に応じて誠実に対応してまいります」とコメントしています。