北八甲田クマ死亡事故から1年…登山客に注意呼びかけ 共存どうする?ガイドは「山に入る人の礼儀」と対策の大切さを話す

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青森 2025.06.25 19:39

北八甲田のクマによる死亡事故からきょうで1年です。
過去最悪のペースでクマの目撃が相次ぐ県内、事故を繰り返さないため、関係機関がきょう現場近くで登山客にクマの被害防止を呼びかけました。


北八甲田での痛ましい事故からきょうで1年。

★警察官
「なるべくクマを近づけないような行動を心がけていただければと思います」

登山道がある青森市荒川の「酸ヶ湯温泉」近くで、警察官など10人が登山客にチラシを配り、クマの被害防止を呼びかけました。

1年前。

★青森放送 成田栞寿記者
「クマが目撃された現場近くでは大勢の消防隊員や警察官が集まり緊迫感が漂っています」

八甲田の地獄沼近くで、タケノコ採りに入った80歳代の女性が体長1.5メートルほどのクマに襲われ亡くなりました。
北八甲田でクマの目撃が相次いでいた中での最悪の事態でした。

★県警察本部 生活安全部地域課 清野るみ子 次長
「県民の方がクマに遭遇してけがをしたりとか、遭難をしてけがをしたりとか、そういうことが無いように広報活動に力を入れていきたい」

きょうも八甲田には多くの登山客の姿がありました。

★岐阜からの登山客
「クマベルを買いました」
「途中で主人がストックで音を出したり」

青森市の山岳ガイド「八甲田山歩」代表の浜部信彦さんは、鈴やクマスプレーを持って入山する人も増えており、これらの対策が大切だと話します。
その上で…。

★八甲田山歩 浜部信彦 代表
「山菜を採っている人たちが狙われやすい」
「特に登山道から外れる人はクマのエリアに入っていることを自覚してもらう」
「お互いに共存できることをお互いにちゃんと考えようというのが山に入る人の礼儀ですよね」

2011年の統計開始以降、過去最悪のペースでクマの出没が相次ぐ県内。
県によりますと、今月22日時点でクマの目撃件数は371件と、去年の同じ時期に比べ96件増えています。
万が一クマに遭遇してしまったら…。

★八甲田山歩 浜部信彦代表
「大きな音を出さないで、とにかくそこから速やかに退避すると走ってはダメですよね」

ことしに入り人的被害はこれまで確認されていません。

★県自然保護課 櫻田定博 課長
「県では5月1日にツキノワグマ出没警報を発出して注意を呼びかけていますが、県民の皆様には各自治体や警察の指示に従いクマから身を守る行動をよろしくお願いします」

不幸な事故を繰り返さないために。
わたしたち1人1人の対策も欠かせません。