中国政府 日本産水産物の輸入を2年ぶりに再開 青森県内の水産関係者は「輸入解禁は大いに歓迎したい」一方「中国はいつまたどうなるかわからない」 警戒感も示す

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青森 2025.06.30 19:58

中国政府は輸入を禁止していた日本の水産物についておよそ2年ぶりに輸入を再開します。
県内の水産関係者は歓迎する一方で警戒感も示しました。

福島第一原発の処理水の海洋放出を理由におととし8月から輸入を全面的に禁止してきた日本産水産物について中国政府は「海水の分析の結果異常はなかった」として「即時に輸入を再開する」と発表しました。ただ原発事故以降続けられている福島や宮城など10都県からの輸入停止措置は継続するということです。

★小泉農相
「我が国にとって重要な輸出品目である水産物について、中国向け輸出が再開されることは大きな節目です」

中国の禁輸措置で県内ではホタテやナマコの生産者や加工会社などが打撃を受けました。
その後輸出先の転換に向け東南アジアなど中国以外の販路の多角化などが進められてきました。

県漁連は…。

★県漁連 熊木正徳 専務
「水産物に関しては中国のマーケットはひじょうに大きいものですから中国の輸入解禁は大いに歓迎したい」

一方で…。

★県漁連 熊木正徳 専務
「中国はいつまたどうなるかわからないという状況だとすると、続けていけなければいけないだろうが、警戒感を持ちながらやっていかなければいけない」

ホタテやナマコなど県内の水産物は禁輸措置前の2022年度中国への輸出額が53億円で水産物全体の半分以上を占めていました。

ジェトロ青森の清川所長は禁輸措置以降の販路拡大を維持した上で中国の重要性について

★ジェトロ青森 清川裕志所長
「ほかの国へ販路開拓をしてきたものをつぶしてしまうのではなくそれをきちんと維持しながら中国へもさらに増やしていく」
「ビジネスとしてはひじょうに大きな市場を中国は持っていますのでこの市場を全く無視するのは合理的ではない」

輸出関連施設の再登録の手続きが完了すれば、青森県を含む37の道府県の水産物の輸出が再開されます。