「清酒業界の存亡の危機」酒米が足りない!相対取引価格高騰で主食用米に転作する動き 秋入荷の見通したたない酒造も 青森県弘前市

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青森 2025.06.20 20:08

★青森放送 菅原厚キャスター
「これらの日本酒は去年とれたコメ酒米から造られたものなんですが、コメの価格が上がる中で日本酒づくりも影響を受けそうです」

300年以上の歴史を持つ弘前市の六花酒造です。
酒造りに使われている原料は、華吹雪や華想いなど県産の酒米が大半をしめています。
こちらの酒蔵では1年間で1,400俵の酒米が使われていますが、この秋収穫される酒米は入荷の見通しが立っていないといいます。

★六花酒造 河合貴弘杜氏
「ある程度収穫量が減るのであれば、微妙になってくると思っています」

背景にあるのが酒米離れの動きです。
去年産米の「まっしぐら」の相対取引価格は3万円を超え、前の年の2倍まで高騰する一方で、酒米の主力「華吹雪」も2万5千円と1.7倍まで高騰しています。
しかし、主食用米が酒米の価格を大幅に上回ったことから、一部の農家で主食用米に転作する動きがみられたということです。

★六花酒造 河合貴弘杜氏
「(酒米の)値段を上げていかないと生産者はなかなか酒米に戻ってこない」
「酒米もプラスアルファの値段を提示して生産者につくってもらうしか対策はないと思います」

こうした中、県酒造組合の稲本会長は宮下知事に窮状を訴えました。

★県酒造組合 稲本修明会長
「お酒を造りたくても原料となるコメが手に入らない」
「休業や廃業を視野に入れているという酒蔵も出ていまして、まさに清酒業界の存亡の危機がかかっている」

コメの価格高騰と酒米不足による減産が見込まれる中、酒造りを守るための対策が求められています。