■世界陸上まで3か月 マラソンのニューヒロイン・小林香菜選手【徳島】(徳島県)
東京で開催される世界陸上まであと3か月。
マラソン女子日本代表に初選出された、大塚製薬陸上部の小林香菜選手は、大舞台に向け、目下練習に励んでいます。
急成長を続けるマラソン界のニューヒロインの世界で戦うための武器とは。
■ニューヒロインが「世界陸上へ来たー!」
(大塚製薬陸上部・小林香菜 選手)
「今もそうだが、まさか自分がという感じでまだ実感ない」
まだ入社2年目の24歳、マラソン界のニューヒロイン小林香菜が世界陸上へ来たー!。
(防府読売マラソン)
「がんばれ ファイト」
1年目に、右肩上がりの急成長を見せた彼女。
(リポーター)
「大会記録を更新し優勝、今の気持ちは」
(大塚製薬陸上部・小林香菜 選手)
「信じられない気持ちです。こんな良いタイムが出ると思ってなかったので」
2024年、実業団での初マラソンで大会新記録をマークして優勝。
代表選考を兼ねた2月の大阪国際女子マラソンでは、さらにタイムを3分40秒更新し、日本人トップの2位。
見事、世界陸上代表の座を射止めました。
(記者)
「よく日焼けしてますね」
(大塚製薬陸上部・小林香菜 選手)
「そうですね」
「まだ5月、ちょっとまずいですね。これからどんどん」
「6月末の函館ハーフマラソンに向けて、そろそろポイント練習始める、立ち上げみたいな感じ」
5月、鳴門市の練習場に伺うと、9月の世界陸上に向けた本格的な調整がまさに始まっていました。
初めての世界の舞台でも焦りはありません。
名門、大塚製薬陸上部は、脇を固める経験豊富なスタッフが揃っています。
■経験豊富なスタッフ
そのひとりが、日本陸連のマラソンディレクターとして長年、日本のマラソン界をリードしてきた、河野匡女子監督です。
(大塚製薬女子陸上部・河野匡女子監督)
「選手に聞けない言葉が『調子どう』それはこっちが判断すること」
「言えないのが『がんばれ』、聞けないのが『調子ど』 この2つはトップになればなるほど言えない」
「がんばるの決まってる」
■高速ピッチ走法
河野監督が見た世界で戦うための、小林選手の武器は「高速ピッチ走法」。
狭い歩幅で速く足を回転させる、効率の良い走り方です。
(大塚製薬女子陸上部・河野匡女子監督)
「非常に省エネ走法」
「(体の)上下動のブレが少ないので、水平方向に自分の力をしっかり使える」
「飛んでしまうと、衝撃を受けなければいけない」
「それを最小限にした中で、スピードを維持できるのは彼女の持ち味」
大学時代、陸上のサークルに所属していた小林選手。
市民ランナーとして楽しく、長い距離を走るうちに体得していった技術です。
(大塚製薬陸上部・小林香菜 選手)
「自分としては、他の人と同じよう普通に走っている感覚」
「確かに疲れにくいとは思いつつ、でも上り坂には弱いので克服していきたい」
(大塚製薬女子陸上部・河野匡女子監督)
「(マラソンは)要は、後半どれだけエネルギーを蓄えて」
「勝負どころで、スピードアップできるかというところになる」
「もっと効率よく走れるようなものを求めていくことが一番」
「その結果として(世界と)勝負できるようになってくるのでは」
また、精神面のサポートも充実しています。
■コーチは元五輪代表
元オリンピック代表の伊藤舞さん。
今は、陸上部でコーチを務めています。
日の丸の重みを知る人がいて、小林選手もアドバイスをもらっていると言います。
(大塚製薬陸上部・伊藤舞 コーチ)
「(世界陸上は)大会の雰囲気が、今までとちょっと違う」
「(自分は)良い準備が出来たが、大会当日100%の力は出しきれなかった」
伊藤コーチから見た、小林選手のもうひとつの武器は「レースを楽しむ力」です。
(大塚製薬陸上部・伊藤舞 コーチ)
「大阪国際のレースで後半、手を振って走ってたので、私は緊張したけど、小林は大丈夫なのかなという気がします」
夏場のマラソンはまだ出場がなく、小林選手の可能性は未知数。
「高速ピッチ走法」と「レースを楽しむ力」を武器に9月14日、暑さが残る東京で世界陸上に臨みます。
(大塚製薬陸上部・小林香菜 選手)
「あまり順位やタイムの、具体的な目標はまだ考えられない」
「貴重な世界の舞台を走らせてもらえるからには、自分なりに残りの期間で準備して」
「しっかりと強い選手と戦って、笑顔でゴールできてやりきったと思えるレースにしたい」
小林選手は今、北海道で合宿を行い、走り込みを行っているそうです。
世界陸上で好成績を収めれば、ロス五輪の代表を決めるマラソングランドチャンピオンシップ出場が決まるかもしれませんので、注目です。
(06/17 18:16 四国放送)
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