■「奨学金の一部を寄付」 大地震から1か月 ミャンマー人留学生の思い【徳島】 (徳島県)
3月28日にミャンマーで発生した地震から、はや1か月が経ちました。
3700人以上が亡くなり、いまだ余震も続いています。
そんな中、母国を離れ、県内で勉学に励む2人のミャンマー人留学生がいます。
今の現地の状況などを聞きました。
(ミャンマー出身の留学生・エキマさん)
「出身はミャンマーのマンダレー。名前はエキマです」
(ミャンマー出身の留学生・ミンマウンマウンモーさん)
「ミンマウンマウンモーと申します。ミャンマーのマンダレー出身です」
母国ミャンマーを離れ、板野町の徳島工業短期大学に留学している2人。
徳島工業短期大学では、日本語学校と連携して、自動車について学びたいアジア各国の留学生を、毎年20人程度受け入れています。
(記者)
「地震があった時、どこにいました」
(エキマさん)
「私は帰国してミャンマーにいた」
3月28日、ミャンマー北部を震源とするマグニチュード7.7の地震が発生しました。
現在、分かっているだけで死者3700人以上、住宅1万棟以上が倒壊し、医療施設も100か所以上で機能がマヒするなど、未曽有の大災害でした。
2人の出身地マンダレーは、ミャンマー第2の都市で震源から17キロほどしか離れておらず、大きな被害を受けました。
(記者)
「家にいたんですか」
(エキマさん)
「家で居ました」
「こんな強い地震一回もあったことないから怖い。みんなで外へ逃げた」
「家の前の方が潰れました。家族は無事だったが、隣の人は6人が亡くなった」
一方、ミンマウンマウンモーさんは、この春入学した1年生。
大学の寮で、地震があったことを知りました。
(ミャンマー出身の留学生・ミンマウンマウンモーさん)
「家族に大丈夫かと連絡したが、全然連絡がとれなかった」
結局、家族は無事だったものの、自宅は大きく壊れ、知り合いの多くが被害に遭いました。
異国の地で、自らの無力さを痛感したといいます。
(ミンマウンマウンモーさん)
「とても悲しくて、どうやって人が死んでいったのか悲しかった」
「できるだけ助けてくれたらうれしい」
「この計算で、電流4アンペアを知ることができます」
春休みが終わり、2年生のエキマさんは、後ろ髪引かれる思いで徳島へと帰ってきました。
それが今の自分にできることだと信じて。
(エキマさん)
「奨学金もらって、地震で大変だった人にも寄付したいから戻ってきた」
(記者)
「お金を送っているの?」
(エキマさん)
「はい」
エキマさんによりますと、ライフラインは復旧しつつあるそうですが、住む家を無くした被災者が多く、食べるものも少なく困っているそうです。
エキマさんは、アルバイトで稼いだお金や奨学金の一部を、母国の復興のため少しずつ送っています。
(記者)
「今の母国への想いは?」
(エキマさん)
「みんな大変だったから、自分は助けることをしていきたい。自分の町以外も大変だったから、でも助けたい」
将来の夢は、エキマさんはミャンマーで自動車の店を持つこと、ミンマウンマウンモーさんは日本で働くことだと話してくれました。
今回のミャンマー大地震をうけ、県は6月23日まで県庁など県内6か所で募金箱を設けているほか、日本赤十字社県支部でも6月1日まで募金を受け付けています。
(04/30 18:23 四国放送)
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