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増える「カスハラ」 自治体や企業で対策進む【徳島】(徳島県)



顧客が企業や従業員に対して行う不当な要求や迷惑行為「カスタマーハラスメント」いわゆる「カスハラ」。

県内でも自治体や企業で、対策が広がっています。

顧客などからの著しい迷惑行為、いわゆる「カスハラ」。

厚生労働省が2024年発表した調査結果では、過去3年間で従業員からカスハラについて相談があった企業は約3割と、パワハラやセクハラに比べるとまだ少ない数字です。

しかし、相談件数の増減でみると、パワハラやセクハラの相談件数は「減った」とする企業が増えた一方、カスハラについては「増えた」と答えた企業の割合が高くなっています。

こうした状況に県内の自治体も、対策に乗り出しています。

様々な窓口が日々利用者と向き合う自治体職員。

県が働きやすい職場づくりに関するアンケートを職員に行ったところ、こんな声が聞こえてきました。

(県人事課・立石 主任)
「名札の表記を見てSNSで検索されたとか」
「インターネットで乗せるぞ、と言われたことがあるという声があった」

そこで4月1日から取り入れたのが、苗字だけの名札。

SNSでフルネームなどの個人情報を拡散させる、インターネットを通じた被害も多いことから、カスハラ対策として有効だと考えられています。

実際に働く職員も、名札の変更を好意的に捉えています。

(県民ふれあい課の担当者)
「今までフルネームで、漢字で名札を付けておりましたので」
「何かメモされてることがあったので、名前を書き写すような感じで」
「不安を覚えたりすることもあったんですけど、そういうことは無くなった」

こうした名札の取り組みは各自治体でも広がっていて、4月時点で徳島市や阿南市など12の市と町が導入しています。

企業でも従業員を守る対策が進んでいます。

JR四国では2024年、独自のカスハラ対策ガイドラインを策定。

4月17日からは「気付かぬうちに行ってしまうハラスメント行為を広く知ってもらいたい」と啓発ポスターを掲示し、利用者に注意を呼び掛けています。

2025年度から、東京など一部自治体で条例化も進むカスハラ対策に専門家は?。

(志摩恭臣 弁護士)
「セクハラやパワハラもそうだが、条例化の動きが先行して」
「それがやがて国の法律の制定に繋がっていくものだと思う」

現状、カスハラそのものに罰則を定める明確な法律はありませんが、行き過ぎた行為は罪になる可能性もあります。

(志摩恭臣 弁護士)
「あらぬ誹謗中傷すると名誉棄損罪になることも。また、土下座というのも時々報道にもあるが」
「土下座を強要するということは、強要罪という罪に問われるように」
「ハラスメントの中でも、犯罪に該当するものはたくさんあります」

一方で、顧客からの要求が正当なものかどうか、きちんと見極め、対処することも大事だと志摩弁護士は話します。

(志摩恭臣 弁護士)
「要求自体に正当なものがあるかもしれない」
「当然、事業者の側からしても、要求の中に正当なものがあるのであれば、それをきちんと認めて」
「ご自身の営業活動に反映する方がむしろ、事業者としては健全な場合がある」

(04/25 18:45 四国放送)

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