■なぜ今「そろばん」人気? 7人の日本チャンピオン輩出する達人教室も【徳島】(徳島県)
かつて習い事の定番だった「そろばん」。
その「そろばん」が近年、再び脚光をあびつつあります。
スマホやパソコンとは違う、アナログのすばらしさとは?。
名人位の称号を持つ、そろばんの達人を取材しました。
再び脚光
「パチ、パチ、パチ、パチ」
静かな室内に響く、軽快な珠を弾く音。
そろばんの達人
音の主はそろばん歴30年を超える、橋本壮彦さん42歳です。
橋本さんは、県内に3校ある橋本そろばん教室の教室長。
4歳から60歳まで、60人の生徒を教えています。
(橋本そろばん教室・橋本壮彦教 教室長)
「一時は(生徒の数が)減っていたのですが、最近は入ってくる人が増えてきつつあると、感じています」
かつては習い事の定番だったそろばん。
今から40年前の1986年には、全国に約1万3000軒のそろばん教室がありましたが、2021年には3分の1の約4500軒となり、生徒数も減少しました。
全国小学生 習い事ランキング
しかし去年、2024年の習い事ランキングでは水泳や学習塾などに続く、第6位と大復活。
今、全国でそろばんを習う人が増えています。
(橋本そろばん教室・橋本壮彦教 教室長)
「そろばんをすることで右脳が開発され、記憶力、イメージ力がアップし、スポーツや音楽などにも効果があり、注目されていると思います」
「12、それで次は?3かける?」
「ゼロ」
「そう」
そろばんで集中注力UP?
教室に来る小学生は、そろばんを始めてから集中力がつき、他の教科の点数もあがったと話します。
(そろばん教室に通う小学生)
「計算して正解したらうれしい」
「計算がはやくなったり、覚える力がつきました」
(保護者)
「本人が楽しんで行っているのが一番ですが、集中力や記憶力が身についていると実感していますし」
「本人が続けているので、応援したいと思い通っています」
10年に一人の「名人位」
実は橋本さんは、4つの検定種目「珠算」「暗算」「読み上げ算」「読み上げ暗算」の全てで、最高位の10段を持ち、「名人位」を獲得するなど、知る人ぞ知るそろばんの達人なんです。
そろばんの名人位は、県内では10年に一人出るか出ないかというほどの難関だそうです。
「名人位」を獲得した腕前を披露してもらいました。
(読み上げ算)
「ねがいましては…8500…1億…では?」
(橋本そろばん教室・橋本壮彦教 教室長)
「4261747833375013」
「ごめいさん」
橋本さんは名人位を獲得して以来、そろばんの普及へと目を向けるようになりました。
英語での読み上げ算も。
今、そろばんはアメリカやイギリスなど、世界の100か国以上に普及しています。
(そろばん教室に通う小学生)
「聞き取ることは簡単です」
(記者)
「何が難しいですか?」
(そろばん教室に通う小学生)
「はやさがついていけないのと、ちょっとだけ聞き間違いをするのが」
(そろばん教室に通う小学生)
「はやさは日本語のほうがはやいので、日本語のほうが難しいと思います」
「日本語の読み上げ算で、全国一位を取りたいです」
橋本さんの教室からはこれまでに7人、日本チャンピオンが生まれています。
教える方でも、名人というわけです。
(橋本そろばん教室・橋本壮彦教 教室長)
「そろばん大会で、活躍できる子を育てていけたらと思います」
目標は、自らに続く「名人位」を育て上げること。
教室にはきょうも、未来の名人位が軽快に珠を弾く音が響いています。
(06/10 18:34 四国放送)
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