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「説明ないのがさらに不安…」日本郵便“不適切点呼問題” 県内の菓子店も困惑・福島(福島県)



ドライバーに飲酒の有無を確認していなかったなど、相次いで不祥事が発覚した日本郵便。

17日開かれた会見では10万件を超える点呼記録の不正も明らかになりました。

国土交通省は自動車貨物運送の事業許可を取り消す方針で、日本郵便では他社に業務を委託するなど、サービス維持に動いていますが、県内でも影響を心配する声が上がっています。

内堀知事も16日、やはりこの問題に言及しました。

■内堀知事
「日本郵便でありますがさまざまな問題、課題等が浮き彫りになっています。」

全国の集配を担う郵便局の実に7割以上で、運転手に飲酒の有無を確認していなかったなどしていた日本郵便。

国の省令で日本郵便はあまねく全国においてサービスを提供するいわゆる「ユニバーサルサービス」が定められていますが、今、その提供に不安の声があがっています。

■内堀知事
「ぜひ、現在目の前にある課題を解決して頂きながらユニバーサルサービスを維持することができるよう組織一丸となって取り組んで頂きたいと考えています。」

波紋が広がる今回の問題。
実際にサービスを利用する県内の店を訪ねると…

■菓匠 清泉堂 齋藤隆一 代表
「いま運送業界がものすごく厳しい状況にさらに追い打ちをかけて、正直戸惑っている」

福島市の菓子店「菓匠 清泉堂」です。

店では、焼き菓子など様々な商品を販売しています。

なかでも最近力を入れているのが、福島わらじまつりの「大わらじ」にちなんで作った「わらじパイ」です。

■菓匠 清泉堂 齋藤隆一 代表
「ネットショップの方で注文来たりするので東京とか今回旭川にもあったりとか幅広く取り扱ってる」

地元だけでなく、県の内外から注文を受けては主に日本郵便の「ゆうパック」を使って商品を発送しています。

ほぼ毎日、集荷に訪れては配送を担っていますが、問題をめぐる今後の方針など日本郵便からはまだ具体的な説明はされていません。

■菓匠 清泉堂 齋藤隆一 代表
「毎日のように集荷に来ていただけるが、それに関して我々も不安なんですけど、説明が正直ないというのがさらに不安を煽るというか」

これからはお中元シーズン。
お菓子の製造や発送も忙しくなるため、早めに対応を決めたいところですが、どうすればいいのか。頭を悩ませています。

■菓匠 清泉堂 齋藤隆一 代表
「もちろん日本郵便さんを使っていきたいというのはあるが、他の配送会社に電話をして集荷してもらう方法を取らざるを得ないのかな、その辺は不安に思っている」

一方、今回の問題。
日本郵便はサービス維持のためヤマト運輸や佐川急便など複数の物流企業に、集荷業務の委託をして、サービスの継続を図る方針です。

ドライバー不足が深刻な2024年問題もある中で、物流業界全体への影響は避けられません。

県トラック協会は「これから果物の発送などで県内では車がひっ迫する。企業の責任として最善の方策を立てて欲しい」としています。

日本郵便は一部報道やSNSで「ゆうパックの廃止を検討している」と言った情報に対して「そのようなことは一切ない」と否定するコメントを発表しています。

ヤマト運輸など外部の委託先からも同意を得ているとのことですが、サービスは維持できるのか、県内にも不安が広がっています。

行政処分は6月中にも確定する見通しです。

(06/17 18:38 福島中央テレビ)

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