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中テレNアクセスランキング今週は…「いわき信用組合の不正融資問題」 福島(福島県)



5日までの1週間、県内では事件や事故に関するニュースが多く注目を集めました。4日、番組でも詳しくお伝えしましたが檜枝岐村の燧ケ岳で相次いだ遭難や事故を伝えた記事は、アクセス数が急上昇し、2番目に多く読まれました。今週も様々なニュースがありましたが、関心が高かったのが「いわき信用組合」による不正融資問題です。

驚愕の調査結果、次々と。いわき信用組合の巨額不正融資問題。

■利用客
「定期預金を解約しにきた。恥ずかしいですよね、いわき市民として」

利用客にとっても…。

■加藤勝信 財務大臣
「いわき信用組合にはまず猛省を求めたいと思います」

大臣にとっても…。大きなインパクトを与えたニュースだったようです。

■本多洋八 理事長
「信用を第一とする、金融機関といたしまして、きわめて、重大な不祥事を発生させ…」

それが、いわき信用組合による巨額の不正融資問題。からくりは、こうです。経営難に陥った大口取引先に資金を注入するため、組合は、実態のない企業、つまり「ペーパーカンパニー」を使って「う回融資」を行っていました。ただ、際限なくペーパーカンパニーに融資を続けることはできませんし、架空とはいえ、貸した分を返してもらわなければ銀行としてもなり立ちません。そこで、名義人に無断で作った口座を使って返済に当てたり、大口取引先への融資に流用したりしていたというのです。第三者委員会による調査結果を受け、会見を開いた、いわき信用組合。そこで頻繁に出たキーワードというのが…。

■本多洋八 理事長
「今回の不正、不祥事、不適切なこと。それは人についてきたもの」「旧経営陣が起点となって…」「現役員を含めた…」「経営陣による…」「前会長をはじめとする…」

報告書によりますと、一連の不正は「旧経営陣」の主導で行われ、実に247億円以上が不正に融資されたといいます。一連の不正で中心的な存在だったとされているのが…。

■本多洋八 理事長
「江尻前会長の強力な存在があった…」「絶対的な存在だった」

およそ20年にわたり理事長と会長をつとめた江尻前会長。第三者委員会からは、コンプライアンス意識の著しい欠如があり、日本の金融機関の歴史のなかで類例をみない悪質な事案とまで言われた今回の問題。その全容はいまだ掴めていません。

「B資金」。組合では不正資金のことをそう、呼んでいたそうです。この、巨額な不正問題を徹底的に調べあげたのが弁護士や公認会計士からなる「第三者委員会」です。

■第三者委員会 公認会計士 尾田智也さん
「これが不正取引だろうというものを洗い出した上で、それを組合側に提示すると、いうアプローチを取りました」

その調査は、かなり骨の折れる作業だったようです。

■第三者委員会 小川尚史弁護士
「結論としては(組合側が)協力的だったとはとても言い難い状況にありまして」「あるべきものを隠滅した、という話も出てきたり、そういう事象が数続いたという状況でありました」

第三者委員会によりますと、組合は調査に対し協力的ではなかったといいます。そのなかには、重要な証拠であるノートパソコンをハンマーで破壊するとう衝撃的な話や、「手帳を処分した」など、隠ぺいともとれる不適切な行為があり、調査も難航したといいます。「組織ぐるみ」で不正が行われたと指摘されているいわき信用組合。ただ、過去には、この不正を正そうとした人も内部にはいたそうです。

■本多洋八 理事長
「先輩がそういう行動をされていました。しかし、それが組織の中で大きな力にはならなかった」「賛同する人が少なかったというか、そういうこと」

地域の金融機関として膿を出し切れるのか。いわき信用組合の新しい役員人事は来週末に決まる予定です。


(06/06 18:58 福島中央テレビ)

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