■【前編】オーロラに氷瀑、野生のペンギンまで…秋田魁新報社の記者が「南極観測隊」に同行 約4か月の貴重な絶景映像(秋田県)
秋田魁新報社の記者、大久保瑠衣さんが去年12月から約4か月、日本を離れ、「南極大陸」に足を踏み入れました。
「南極観測隊」の同行記者として、隊員の活動や壮大な自然をカメラに収めてきました。
オーロラや氷瀑、野生のペンギンなど、大久保さんが撮影した絶景の数々を10日と11日の2日間、お伝えします。
秋田市にある、秋田魁新報社。
大久保瑠衣さんは、去年12月から約4か月、日本を離れ、南極大陸に足を踏み入れてきました。
大久保さんは、去年12月初め、「南極観測船しらせ」に乗って、第66次観測隊の同行記者として、南極に渡りました。
南極は、秋田から1万4,000キロ以上離れた南半球にあります。
巨大な大陸のほとんどが氷に覆われれていて、面積は、日本のなんと36倍。
冬の平均気温が氷点下20度。
上陸には申請が必要で、勝手に立ち入ることはできません。
世界のどの国にも属さない、地球上の特別なエリアです。
大久保さんは、記者として、観測隊員の仕事の様子や南極の風景をカメラに収めながら、それをほぼリアルタイムで新聞に掲載してきました。
観測船しらせの甲板から、衛星アンテナを使って、原稿や写真を送信している様子も。
約4か月、秋田を離れて過ごした、南極の印象をまず聞いてみました。
大久保瑠衣 記者
「全部の景色が壮大だったんですよね。それがやっぱりスケールの違いは感じました。 なので、この景色もそうですし、オーロラもそうですし、ペンギンたちもそうですし、規模感みたいなのが全然違ったので、これはちょっと感動とかそういう簡単な言葉じゃないぐらい、圧倒させられましたね」
「行って写真を撮っている時は、本当にあぁすごい、すごいって言いながら撮っているだけだったとは思うんですよ、本当」
大久保さんの感想にも出てきた「オーロラ」。
太陽から届く、電気を帯びた粒子が地球の空気とぶつかって光を放つ、大気現象です。
まだ分かっていないことも多く、北極・南極の「極地」周辺でしか見られない自然の神秘。
“光のカーテン”が美しく舞う姿に、大久保さんも魅了されました。
大久保さんが訪れた12月から3月の南極は「夏」でした。
比較的、岩肌も見えていることも多いこの時期、氷の滝のように見えるのは、「スカーレーン氷瀑」です。
観測隊員たちと比べると、その大きさが分かります。
上空から撮影することで、大久保さんはそのスケールを表現しました。
その時使ったのが、ドローンです。
通常のカメラに加えて、近年、新聞社でも、ドローンを活用した撮影が増えています。
大久保 記者
「会社の中で、一番最新の機材を持って行っていいっていうことで、選ばせてもらいました」
田村修アナウンサー
「おいくらぐらいでしょう」
大久保 記者
「40万ぐらいだと思います」
田村アナ
「やっぱり南極に行くから、こういう準備をしたんですかね?」
大久保 記者
「そうですね。やっぱりせっかく記録してくるのであれば、いいもので 記録して来いというお話をいただきまして」
田村アナ
「そのお話は誰がしてくださったんですか?」
大久保 記者
「…社長で」
社長の勧めもあり、高性能のドローンを使うことで、表現の幅が広がりました。
大久保さんが撮影した動画も見せてもらいました。
田村アナ
「これ、ペンギンですか?」
大久保 記者
「これ、ペンギンです、全部」
田村アナ
「これがしらせですよね」
大久保 記者
「そうですそうです」
「この甲板に出てですね、もうこれ夜なんですけど、白夜なので夜の11時ぐらいだったんですよ」
乗船しているしらせからドローンを飛ばして撮影した映像。
手前で動いていたのは、海に張った氷の上を歩く「野生のペンギン」です。
この時期、南極は、太陽が1日中沈まない「白夜」でした。
氷を割って進んできたしらせを照らす、長い影。
氷の水平線は、見渡す限り続いていました。
大久保 記者
「どこまでいっても、海だったり氷だったり雪だったり。シンプルだからこそ、世界の広がりを感じるというか、考えさせられるという。自分が今そこにいることがどういうことなのかなっていうのを考えさせられるような景色が多かったなぁっていう」
スケールの大きな自然と約4か月向き合った大久保さん。
南極は、シャッターチャンスの宝庫だったと話していました。
(06/10 17:46 秋田放送)
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