■閉校した小学校の稲作体験学習B収穫と地域のつながり(岩手県)
先月、九戸村内の5つの小学校が閉校して九戸小学校に統合されました。
このうち、江刺家小学校では稲作や郷土芸能など住民と学校が協力して地域に根差した教育を行っていました。その様子を1年近く追いました。3回シリーズの最終回です。
先月いっぱいで150年の歴史に幕を閉じた九戸村立江刺家小学校。
28年間、稲作学習を続けてきました。
田植えから、雑草採り子どもたちは田んぼに入ってきました。
そして稲刈り。育てたコメを収穫する喜び。
(脱穀)稲からモミを取る脱穀は足踏み式の機械で昔からのやり方に拘りました。
小井田重雄さんは28年間教え続けました。
木々が色づいた11月。江刺家小学校で感謝祭が行われました。
体育館には子どもたちと共に保護者、それに地域の人たちが集まりました。
橋雄賢校長
「学校として最後の年にこのように餅つきをして皆さんと会食をし、そして後日餅米販売できることはとても大きな喜びでございます」
みんなで育てたもち米で餅をつきます。収穫祭ができるのは3年ぶりです。2年前はコロナで、去年は余りの不作でおコメがありませんでした。
つきあがったお餅はみんなで切り分けたりあんを絡めてお汁粉にしました。
子ども
「いただきます」
お母さん
「いいのいいの、かえってカメラ目線じゃない方が自然でいいの」
小井田さん
「うまいですねできれば雑煮があればよかったな」
児童会長 桜庭正悠さん
「稲作体験学習で食の大切さやコメを作るための努力農家の方のありがたさを学ぶことができました。江刺家小学校で稲作体験学習ができたことはぼくたちの宝物です。小井田さん様々なことを教えていただきありがとうございました。
小井田さん
「食の大切さというのを少しでもわかってもらえればうれしいなという思いで始めた授業でした。稲作体験に取り組んでいただいた江刺家小学校に感謝して私からのお礼の言葉にします。本当にどうもありがとうございました」
子ども
「ごちそうさまでした」
厳しい冬の九戸村、2月です。
副校長
「雪の中スイマセン宜しくお願いいたします」
小井田さん
「遅くなるところだった」
子どもたち
「宜しくお願いいたします」
この日、小井田重雄さんは江刺家小学校の子どもたちが3月行われる閉校式で披露する江刺家神楽を教えるため小学校を訪れていました。
1、2年生が神楽を舞うのは初めてのことでした。
橋校長
「私たちの予想以上に子どもたちは覚えが早いので今年覚えたことがどうなるかわかりませんが江刺家の一員として心のどこかに記憶として残っていただければすごくありがたいということです」
そして迎えた3月19日。閉校式。
小井田さんの太鼓に合わせて江刺家小学校の児童29人が入場しました。会場には地域の人およそ150人が集まりました。
江刺家神楽
記者
「小井田さん江刺家小学校の最後の江刺家神楽はどうでしたか?」
小井田重雄さん
「涙が・・・なかなかこう何と言っていいんだかね良く30年間も続けさせてもらったなと感謝です。学校の 校長先生はじめ先生方の理解がなければここまでやってこられなかったなと本当にありがたかったなと思っています」
神楽を終えた子どもたち。稲作体験とともに地域に根差した学びをしました。
橋雄賢校長
「夢中になれるというか水に触る 土に触る遊びの延長のところで学びがあるような感じ普段の生活で泥がズボンや服に付くと汚いということになるんですが実は泥というのはそんなに汚いものではないしそれを基にして私たちがいただいている食物につながっているというそういうふうな学びって子どもたちにとってはすごく成長の過程で大事だなって思っていましたので貴重な学びだったなって思っています」
今月7日、江刺家小学校など閉校した九戸村内の5つの小学校が統合した九戸小学校の開校式が行われました。
式では真新しい九戸小学校の校旗が大久保村長から尾崎校長に手渡されました。
尾崎尚子校長
「今 いただいた校旗に示された校章は江刺家小学校、長興寺小学校伊保内小学校、山根小学校、戸田小学校、昨年度閉校した5つの小学校の子どもたちが両手を広げて輪になり希望あふれる未来を仰ぎ見る様子を現しています」
150年の歴史があった江刺家小学校。食育や神楽など独特な学びの経験はほかの小学校の子どもたちとともに新たな九戸小学校に受け継がれていきます。
(04/28 18:54 テレビ岩手)
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