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【特集】閉校した江刺家小学校 稲作体験一年の記録A神楽など地域に根差した教育(岩手県)



3月、九戸村内の5つの小学校が閉校して九戸小学校に統合されました。
このうち江刺家小学校では、稲作や郷土芸能など住民と学校が協力して地域に根差した教育を行っていました。その様子を1年近く追いました。3回シリーズの2回目です。

去年9月、九戸村の江刺家小学校には大勢のお年寄りが集まってきました。
校内では子どもたちが地元の神楽を披露しようと、準備をしていました。
小井田重雄さんは30年以上前から江刺家神楽の指導をしています。

小井田重雄さん
「私たちが受け継いだ時に一旦消滅、なくなった神楽をこういう形で子どもたちにつなげられるというのはとてもうれしいことだし、次の世代にもつないでいってほしいという思いがあります」

地域のお年寄りたちは毎年、江刺家小学校で披露される子どもたちの神楽を楽しみにしています。

地元に480年前から伝わってきた江刺家神楽。この学校での伝承は昨年度が最後でした。

150年近い歴史があった江刺家小学校。この学校も少子高齢化で昨年度が最後の年となってしまいました。

橋雄賢校長
「今年度は特に様々なことが最後だよと、今年度で最後だよと、あるいは閉校記念とかそういう言葉がついて回るので、特に高学年の子どもたちを中心に最後の年だなという意識は高まってきているかなと感じています」

子どもたちが5月に植えた稲がたわわに実りました。

子どもたち「よろしくお願いします」
小井田さん「ご苦労さまです手をこういうふうに持ってやれば、ここ切る可能性があるから稲を上でつかんで下で切る、一束にするためには大体これぐらいの大きさになる。こういうふうに結ぶぐるんと回してまとまったら、下の方に自分の方に向けます。そしたら太いほうを握って細いほうを左で握って、きゅっと 軽く締めます ひねる」

さあ、子どもたちも挑戦です

子ども「意外といけるぞ」「めっちゃ気持ちいい」
橋校長「いいねえ はいそろえましょう」

わらを使わないと

子ども「なんかこうやって2回クルクルするんだっけ」

子どもたちが頑張って稲刈りをしている間に、小井田さんたちは稲を干す棚を作っていました。

稲は天日に干す昔ながらのやり方で乾燥させます。

小井田さん「ここに引っかけるようにするには束をこうすれば」

はさがけ、地元では、はせがけと言われる昔ながらのやり方を体験しました。

小井田さん
「今年はとてもきれいにはせ掛けができました、すばらしかったです。5,6年生はよくしっかり掛けてくれました、ありがとうございます。1,2年生はしっかりと運んでくれてありがとうございます。保護者の皆さんも、お忙しい中ありがとうございます」

子どもたち「ありがとうございました」
先生「右向け右、お手伝いしてくださった方にあいさつします」
子ども「ありがとうございました」

みんなで植えたもち米を収穫しました。

■10月
1か月後すっかり乾いたお米。

子どもたち「こんにちは。よろしくお願いします」
小井田さん「ご苦労さまです。きょうは稲作体験の最後脱穀作業ということで、みんなで稲からモミを落とす作業をします。昭和30年ごろまではここにある足踏み脱穀機を使って脱穀しました」

大豊作でした。昔は田植えや稲刈りなど忙しい時には学校が休みになって子どもたちは手伝ったものです。

小井田さん「前に回して 足を上げます踏みながら」

低学年の子はブルーシートでモミが飛んでいかないように。5,6年生は必死に70年前の機械を踏みます。30キロもあるおコメの袋を運びました。次の月はお楽しみの収穫祭でみんなが育てた米を餅にしていただきます。


(04/22 18:20 テレビ岩手)

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