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「1時間22分の人生」生まれたばかりの赤ちゃんを亡くした女性が医療従事者を目指す学生に伝えた思い(熊本県)



生まれたばかりのわが子を亡くした経験のある女性が4日、熊本保健科学大学で助産師や看護師、保健師などを目指す学生に向けて講演を行いました。


講演したのは合志市に住む澤野典子さん(37)です。
■澤野典子さん
「1時間22分。1時間22分あったら、あなたはどう過ごしますか?」

澤野さんが問いかけた「1時間22分」。それは、我が子が生きた時間でした。

■澤野典子さん
「妊娠34週で緊急帝王切開。生まれた赤ちゃんは1時間22分の人生を精一杯生ききりました」

澤野さんは、4年前、不妊治療を経て授かった長男・蒼空くんを生まれて1時間22分で亡くしました。これまで、流産などを経験した家族のサポートを続けてきた澤野さん。今回の授業では、今後、医療に携わる学生に伝えたいことがありました。


■澤野典子さん
「蒼空くんの泣き声は聞こえませんでした。不安な私の左手を、誰かがずっと握っていてくれていました。助産師さんでした。あの手を握っていることが、あの時唯一の私の支えでした。あなただからできることが、きっとあります」


■講演を聞いた南土居にこさん(2年)
「私は、産後うつなどに悩んでいるお母さんたちの力になりたいというのが一番大きくて、きょうの話を聞いて、より助産師になりたいと強く思いました」

辛い経験が誰かの支えにつながるように…。蒼空くんの命が教えてくれたことです。


■澤野典子さん
「誰も経験してほしくないからこそ、想像して声をかけてあげられるように伝えたい。生まれて今、生きていることが本当にすごいことだということを、一人ひとりに世代や年齢を問わず伝えていきたい」

(06/11 20:07 熊本県民テレビ)

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